37-122 自立観を示した人物

第37回 問122 Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄(はいせつ)、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。 これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。 Dさんが居宅介護を利用してから数年が経過し、Dさんの身体機能は徐々に低下して、着替えに時間がかかるようになった。Dさんは自分のことはできるだけ自分で行いたいという思いがあり、時間がかかっても自分で着替えをしていた。ある日、DさんはF介護福祉職に、「着替えをすると疲れてしまい、絵を描くことができない」とつぶやいた。 F介護福祉職は、「着替えは私たちや家族の介護を利用して、Dさんは好きな絵を描いたらいいのではないですか」と伝えた。その後、Dさんは介護福祉職と家族の介護を利用して、短時間で着替えを済ませ、絵を描くことに専念できるようになった。 F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として、最も適切なものを1つ選びなさい。
ヴィクトール・フランクル(Frankl, V.)
誤りです。 ヴィクトール・フランクルは「すべての人生には意味がある」という考え方が有名な人物。 「自立観」とは違います。選択肢のほかの4人と比べたら学習の優先度は低いかな。
バンク-ミケルセン(Bank−Mikkelsen, N.)
誤りです。 バンク-ミケルセンといえばノーマライゼーションの考え方を発信した人です。 障害者の自立とかかわりが深いともいえますが、もっと適切な人がいるので誤りです。
エド・ロバーツ(Roberts, E.)
これが正解です。 エド・ロバーツは本人も重い身体障害を持っていて、障害者の「自立観」について運動を起こした人です。 特別に有名なわけでもないので、難しい選択肢ですね。
フェリックス・バイステック(Biestek, F.)
誤りです。 フェリックス・バイステックは、「バイステックの7原則」で有名な、対人支援技術の基本を示した人です。 「バイステックの7原則」は必修です。
ミルトン・メイヤロフ(Mayeroff, M.)
誤りです。 ミルトン・メイヤロフは、ケアの本質という本を書いた人です。 ケアとは単なるお世話ではなく、その人の成長のため、またケアする人自身の成長のためであるという考え方です。
障害がある人の「自立観」について考えた人物を選ぶ問題です。 完全な知識問題で難しめですが、試験に出るような人は有名な人ばかりなのでそれぞれの人がどのような考え方を訴えた人なのかぐらいは簡単に覚えておくといいですね。 ここでいう「自立観」とは、簡単に言えば、必要な助けを借りながら自分のことは自分で決めるということです。

第37回 問122
Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄(はいせつ)、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。
これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。

Dさんが居宅介護を利用してから数年が経過し、Dさんの身体機能は徐々に低下して、着替えに時間がかかるようになった。Dさんは自分のことはできるだけ自分で行いたいという思いがあり、時間がかかっても自分で着替えをしていた。ある日、DさんはF介護福祉職に、「着替えをすると疲れてしまい、絵を描くことができない」とつぶやいた。
F介護福祉職は、「着替えは私たちや家族の介護を利用して、Dさんは好きな絵を描いたらいいのではないですか」と伝えた。その後、Dさんは介護福祉職と家族の介護を利用して、短時間で着替えを済ませ、絵を描くことに専念できるようになった。
F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • バンク-ミケルセン(Bank−Mikkelsen.N.)
  • フェリックス・バイステック(Biestek.F.)
  • ミルトン・メイヤロフ(Mayeroff.M.)
  • エド・ロバーツ(Roberts.E.)
  • ヴィクトール・フランクル(Frankl.V.)

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