37-40　事例問題　認知症の人への声かけ

第37回問40 Aさん（84歳、女性、要介護3）は、アルツハイマー型認知症（dementia of the Alzheimer’s type）で、介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて、「はなちゃん」と呼んで話しかけている。昼食のため、介護福祉職が居室を訪問すると、Aさんは不安そうな顔で、「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの？返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。 Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

「私を疑っているんですか」

誤りです。 Aさんの、お気に入り人形がなくなって不安、という気持ちを否定することになり不適切です。

「置いた場所を忘れたんですか」

誤りです。認知症の症状がある人を責めるような言動は不適切です。忘れてしまうのは病気の症状です。それを理解して対応する必要があります。

「心配ですね、一緒に探しませんか」

これが正解です。 Aさんの不安に寄り添う適切な対応です。認知症の人が探し物をしている時は”一緒に探す”というのが基本です。本人に見つけてもらうと誰かに取られたなど、余計な不安を取り除くことができます。

「ご飯を食べてから探してはどうですか」

誤りです。まずは不安を取り除くことが必要です。

「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」

誤りです。認知症の症状がある人を責めるような言動は不適切です。忘れてしまうのは病気の症状です。それを理解して対応する必要があります。

問題文を見る前に選択肢を見てみましょう。大前提として、本人に”寄り添っていない”選択肢はすべて間違いです。この問題でも、問題文を見るまでもなく答えがわかります。

第37回問40
Aさん（84歳、女性、要介護3）は、アルツハイマー型認知症（dementia of the Alzheimer’s type）で、介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて、「はなちゃん」と呼んで話しかけている。昼食のため、介護福祉職が居室を訪問すると、Aさんは不安そうな顔で、「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの？返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。
Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。