37-76 事例問題 認知症の人への対応

第37回 問76 Aさん(80歳、男性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症が進行している。ある日の昼食時、介護福祉職がAさんに配膳すると、「お金はこれしかありません。足りますか」と小さくたたんだティッシュペーパーを渡してきた。 このときのAさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
ティッシュペーパーは、口の周りが汚れたら拭くものだと伝える。
誤りです。
ティッシュの用途を説明しても、認知症により現実認識が異なっているため理解を求めるのは難しいです。
ティッシュペーパーが不足しているサインとして受け止める。
誤りです。 ティッシュが不足しているというサインではありません。場面の誤認が背景にあります。
飲食店での会計の場面であると認識して対応する。
正しいです。 認知症の人の支援では本人の思いを否定しない姿勢が大切です。
食事に集中するように促す。
誤りです。 本人の思いを無視した行動はすべて間違いです。 単に食事に集中するよう促すだけでは、さらに落ち着かなくなる可能性もあります。
小遣いの増額を家族に相談する。
誤りです。 小遣いの増額は今回の問題の背景と関係がありません。
Aさんは認知症による認識のずれから、食事の場面を「会計の場面」と間違えています。 認知症は脳の機能の低下による「病気」です。このような場合、無理に訂正しようとせず、本人の世界観を受け止めて対応することが大切です。

第37回 問76
Aさん(80歳、男性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症が進行している。ある日の昼食時、介護福祉職がAさんに配膳すると、「お金はこれしかありません。足りますか」と小さくたたんだティッシュペーパーを渡してきた。
このときのAさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 食事に集中するように促す。
  • 小遣いの増額を家族に相談する。
  • ティッシュペーパーが不足しているサインとして受け止める。
  • 飲食店での会計の場面であると認識して対応する。
  • ティッシュペーパーは、口の周りが汚れたら拭くものだと伝える。

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