37-36 事例問題 利用者の気持ちの読み取り

第37回 問36 Bさん(74歳、女性)は、地方で一人暮らしをしている。持病はなく、認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い、近所との付き合いも良好で、今の暮らしに満足している。最近、白髪が増え、友人との死別もあり、年をとったと感じている。ある日、一人息子(50歳、未婚)から、東京で一緒に住むことを提案された。Bさんは、「ここには知り合いがいるが、東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は、Bさんに「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので、自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。 次のうち、Bさんに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Bさんには、老年自覚はみられない。
誤りです。 老性自覚とは、自分が年を取ったことを認識してそれに応じた行動をすることです。 Bさんは、~年をとったと感じている。との記述があるので間違いです。
Bさんには、友人との死別による悲嘆がみられる。
誤りです。 友人との死別があったとの記述がありますが、深い悲しみに沈んでいる様子は読み取ることはできません。 最も適切とは言えません。
Bさんは、今、住んでいる環境や生活に適応できていない。
誤りです。 本人の発言として、「~ここが一番いい」と記述されています。 住み慣れた家に住み続けたいと希望しているため誤りです。
Bさんには、エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
誤りです。 エイジズムとは、年齢に基づいて差別や偏見を持つことです。簡単に言うと、「老人だからできない」「老人だからこうあるべき」といった考え方をすることです。 エイジズムの考え方をしているのは、「年をとると頑固になる。~」と言っているBさんの息子です。
Bさんには、住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
最も適切です。 Bさんの「ここには知り合いがいるが、東京には誰もいない。ここが一番いい」という発言を言い換えたものです。 介護福祉職は利用者の不安に寄り添う対応が求められます。
問題文を読み取って利用者の状況のおかれている状況を把握する問題です。
実際にこれを行うことをアセスメントと呼びます。

問題の解き方としては、本人の発言に注目します。「・・・」は2つありますが、ひとつは本人、もうひとつは家族の発言です。それを読み取ることができれば、正解は本人の発言の意味を言い換えしているだけです。

第37回 問36
Bさん(74歳、女性)は、地方で一人暮らしをしている。持病はなく、認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い、近所との付き合いも良好で、今の暮らしに満足している。最近、白髪が増え、友人との死別もあり、年をとったと感じている。ある日、一人息子(50歳、未婚)から、東京で一緒に住むことを提案された。Bさんは、「ここには知り合いがいるが、東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は、Bさんに「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので、自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。
次のうち、Bさんに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • Bさんには、友人との死別による悲嘆がみられる。
  • Bさんには、老年自覚はみられない。
  • Bさんは、今、住んでいる環境や生活に適応できていない。
  • Bさんには、エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
  • Bさんには、住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。

≪PR≫