37-2　自立支援 – kaigo.study

第37回問2
Aさん(83歳、女性、要介護3)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり、介護老人福祉施設で生活している。家族から、「できることは自分で行ってほしい」と希望があり、Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを目標としている。
1週間前から、介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は、実習指導者に相談をした。
実習生に対する実習指導者の最初の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

「Aさんの腕は痛くないので、気にしないでください」

Aさんの訴えを否定してしまう対応であり、不適切です。

「どのようなときも、Aさん自身で行ってもらうことが必要です」

状況にかかわらず一律に決めつけるのは適切ではありません。
できないことはサポートするのも自立支援です。
また、”どのようなときも～”といった限定する言葉は間違いの選択肢によく使われますよ。

「ご家族から自分で行うように、言われています」

Aさんの訴えを否定してしまう対応であり、不適切です。

「それは自立につながらないので、車いすを押さないでください」

Aさんの訴えを否定してしまう対応であり、不適切です。できないことはサポートするのも自立支援です。

「Aさんが依頼する理由を、まず考えてみることが大切です」

正しいです。
Aさんの思いに寄り添う選択肢です。
問題文を読まなくてもこの選択肢がいちばん「寄り添っている」ので正解の選択肢だとわかります。

問題文で一番注目するべきなのはAさんの思い、つまり「」の中です。問題文の中に「」は2つありますが、本人の言葉はどちらでしょうか？
～Aさんは実習生に、「今日は腕が痛いので、食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。～とありますね。
Aさんの思いを中心に考えることが必要です。