37-117 アルツハイマー型認知症の症状

第37回 問117 Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。 最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断を受けた。 健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。 次のうち、最近のCさんの症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
妄想
誤りです。 妄想とは、現実ではないことを強く抱き訂正が難しい状態です。Cさんの症状は「勘違い」ではなく、時間や場所の認識そのものが失われている点で異なります。 アルツハイマー型認知症では、妄想はBPSDに含まれます。
見当識障害
正しいです。
見当識障害とは、いつ?どこ?だれ?など、自分の置かれた状況が分からなくなる症状です。

「毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁する」という状況に当てはまります。
失語
誤りです。 失語は、言葉がうまく扱えなくなる症状です。中核症状のひとつですが、Cさんにそのような症状はみられません。
遂行機能障害
誤りです。 遂行機能障害(すいこうきのうしょうがい)は、物事の手順が分からなくなる中核症状です。
観念失行
誤りです。 失行とは、機能に問題はないけれどうまくできなくなる中核症状です。 観念失行とは、「歯ブラシを渡されても歯が磨けない」ように、道具の使い方や一連動作の順序がわからなくなる障害です。
問題を読むよりも先に、聞いていることと選択肢を確認しましょう。 5つの症状のなかで当てはまるものを事例から探し出す問題です。選択肢は、認知症の症状である中核症状とBPSDです。

第37回 問117
Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。
最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断を受けた。
健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。

次のうち、最近のCさんの症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 妄想
  • 失語
  • 遂行機能障害
  • 観念失行
  • 見当識障害

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